トランプ大統領は去年9月、UPF大会(旧統一教会の団体)の集会にビデオメッセージを送った。
旧統一教会は、どれくらいアメリカに食い込んでいるのか、どういう歴史をたどっているのか。
ナレーション「1969年にアメリカの統一教会に入信し、70年代の教会の政治的な活動を差配していたという、アレン・ウッド氏。
統一教会はアメリカで影響力を高めるために、経済力をつける事から始めたという」
アレン・ウッド氏「経済力を増したきっかけは、私と同僚が1972年にメリーランド州で作った、ろうそくの工場でした。
1971年6月頃から1972年6月までの間、統一教会の収入が数百万ドル増えました。
ナレーション「ろうそくの製造販売から始まった経済活動は順調に拡大し、1975年には、ニューヨークを代表する高級ホテルの1つ、ニューヨーカーホテルを買収。
さらには、魚の加工や食材を寿司店に卸すビジネスにも進出する」
アレン・ウッド氏「寿司については、文氏がアメリカの漁業に深く関わった事が理由でした。彼がアメリカの漁船の半分ぐらいを持っていました。
アメリカのどこでツナを買っても、それが『文氏に、お金を送る事』になっていました。
日本料理店についてもそうでした。
ただ寿司を食べたいだけなのに、知らずにそれが文氏を支援することになってしまっていた」
ナレーション「食品会社は、今や年間でおよそ665億円を売り上げるまでに成長。
そして1982年には、保守系のメディア「ワシントン・タイムズ」を設立した。
その影響力を聞くと
アレン・ウッド氏「間違いなく影響を与えました。『ワシントン・タイムズ』は、共和党や右寄りの人をずっと持ち上げてきているので、彼らが当選した時には、政府の政策に直結するのです」
ナレーション「こうして資金力と発信力を整えていった。
アメリカの統一教会が、アメリカ議会でのロビー活動を開始したのは1970年の春。上院下院を問わず、6人から8人のチームで、議員のオフィスを訪ねて回ったという」
アレン・ウッド氏「その時に強調したのは、ニクソン氏のベトナム政策でした。
北ベトナムと戦い続けなければいけないとか、南東アジアで共産主義に勝たなければいけないとか言っていました。
これがワシントンⅮ.C.でのアメリカ政府における、統一教会初めての政治活動でした。
この活動の効果を、ニクソン大統領も注目していました」
ナレーション「統一教会は選挙の応援を始めた。そのやり方というのは」
アレン・ウッド氏「最初は、候補者と仲良くする事です。うまくいけば議員スタッフになり、政策形成にも関わるようになります。
流れとしてはまず、選挙の時、統一教会のメンバーが候補者の選挙活動を支援します。候補者一人に、統一教会のメンバーが30人、40人、50人単位で戸別訪問をします。
戸別訪問において、圧倒的な力になります。統一教会からすると、候補者が当選した場合、選挙で支援したメンバーが議員スタッフになる、という狙いがあります」
ナレーション「共和党の大統領候補の応援でも、統一教会は力を発揮したという」
アレン・ウッド氏「1981年のレーガン大統領の選挙運動で、統一教会がレーガン氏を支持しました。
人でもお金でも応援しました。
レーガン氏は、これは写真や動画に残っているのですが、『ワシントン・タイムズ』という、文氏の新聞を手に取って『私は、この新聞しか読まない』と語ったのです。
その後、(パパ)ブッシュ大統領も当選させ、統一教会の支持なしには大統領になれなかった、というような事をブッシュ氏本人も言っていました。
ジョージ・W・ブッシュ大統領も、統一教会が全力で支持しました。
そして、トランプ大統領もそうでした。統一教会がアメリカの政治、特に共和党の政治において、最も大きな影響力を持っていると私は思います」
ナレーション「統一教会とアメリカ大統領の関係をめぐって、アレン・ウッド氏は最後に一言加えました」
アレン・ウッド氏「もう一点加えますと、レーガン大統領の任期が終わろうとしている時期、韓国を訪問し、統一教会でスピーチをしました。そのスピーチのために、レーガン氏は100万ドルをもらいました。(パパ)ブッシュ氏も、任期満了直前に韓国に行き、スピーチをして100万ドルをもらいました。
統一教会の影響力とは、そういう事です」
ナレーション「そして、統一教会がアメリカの政治に食い込もうとする狙いについて、こう語ります」
アレン・ウッド氏「アメリカの政治とのかかわりで重要なのは、反共主義の活動が、文氏にとって便利なツールだったという事です。
文氏の教えでは、彼が世界の社会を統一すべきだとされています。キリスト教のすべての信者やすべての宗教の信者を、自分の下に統一したいという狙いです。
世界のいろいろな分野や宗教を、自分の下に統一するという野望がありました。
事実上、彼が世界のリーダーになるのです」
アメリカで、こんなにも統一教会の影響力があったとは、知らなかった。
「統一教会のメンバーが、候補者の選挙活動を支援して応援に行く事で、影響力を増していこうとする」というのは、今の日本と同じだ。国会内でも、ウロウロしているみたいだから。そもそも、どうして国会内でウロウロできるんだ?特別に許可証とかあるのか?
news23を見ていると、毎日唖然とすることばかりだ。
地方の議員立候補者が統一教会の支援を受けたら、1票差とか5票差でも当選はあり得るんだから、ますます統一教会の支援次第で、どんどん統一教会の思惑通りに当選者が出ることになる。
日本は、先月の参院選でも国民の半分近くが投票していないから、このままだと、ますます危機的状況になる。つまり、統一教会の支援を受けている自民党に有利になるという事だ。
もし「安倍元総理の国葬」を行ったら、世界中の信者に「去年ビデオメッセージを寄せてくれた安倍氏は、国葬までしてもらえる人だったのか。もっと頑張って献金を集めなければ」となり、日本国民が更に被害を受ける可能性があるが、それでも、岸田総理は国葬をするつもりなのか?
【旧統一教会は、関連会社などを通して、アメリカで様々な事業を展開している。
例えば、ニューヨークでモハメド・アリなどの著名人が宿泊したニューヨーカーホテルの買収。さらに保守系の新聞「ワシントン・タイムズ紙」の創刊。大手通信社だったUPI通信を買収するなど、マスメディアを支配下に置いている。
寿司店などへの食品卸事業などで、年間売上665億円以上を上げている。
一方でアメリカの政界では、1970年代に反共産主義を掲げ、影響力を拡大した。
レーガン氏、ブッシュ氏(父)、ブッシュ氏(子)、トランプ大統領について、VTRで紹介したアレン・ウッド氏は「統一教会が、大々的に選挙支援をした」と話している】
上智大・前嶋教授「一つだけ言いたいのは、メディアで目立つ、そしてお金、ビジネスでも目立つんですが、そもそもそんなにアメリカの統一教会は信者が多くない。一説には1万人から1万5千人ぐらいだと。なんでかというと、大々的に選挙を支援するけど、選挙を決めるほどではない。これは福音派の方だと思うんです。でもこのビジネスとかニュース(ワシントン・タイムズの発行、UPI通信で世界に配信)のところで、かなり牛耳っている所がある。反発する人もいます」
松原氏「私はアメリカで、お寿司を食べに行きましたが」
前嶋教授「よく言うのが、アメリカで食べる寿司の7割は、統一教会系。どういうことかというと、寿司ブームが70年代に起こり、いろんなビジネスを考えている中で、これだと。
どこから取って来るかというと、日本からなんです。日本から持っていったものを統一教会系のバイヤーが買っていってアメリカで卸していく。一度作ったネットワークって、そんなにサプライチェーンは変わりません。で、いまだに牛耳っている所があります」
考えさせられる内容だった。