辺野古新基地建設。朝日新聞〈沖縄を考える 土砂投入〉。「反発招く基地、政治の失敗」元米海兵隊政務外交部次長・ロバート・D・エルドリッヂさん(2018年12月17日 朝刊) 

詳細は、新聞を。

 

内容をメモ

〈来日して10年以上、日米の政治外交の研究を重ねた後、2009年から15年まで沖縄の海兵隊で働いた。地域住民とのパイプ役として基地の実情を話したり、時には、米軍関係者が起こした事件事故に対応する事もあった。

私は安倍政権を評価する立場で、日米同盟は当然、強く支持している。

それだけに辺野古への土砂投入は、非常に残念。いったん砂を入れてしまえば、なかなか取り出せない。日米関係における「悲劇」だと思う。

海兵隊辺野古基地を望んでいる訳ではない。移設後の基地は、普天間飛行場よりも滑走路が短く、有事に動く主力の軍用機が離着陸できない。普天間のように高台にもないから津波にも弱い。

日本の方々には今も、米国に支配されているような意識があると思う。私は即時、沖縄にあるすべての基地を自衛隊の管理下に置き、日米の共同使用にすべきだと思う。基地の中で何をしているのかが県民に見えないが、自衛隊管理となれば透明性が高まる。

 

長い目で見れば、いずれ米軍はいなくなる。自衛隊が引き継いだ時に、今のような反発を招いた基地で本当にいいのか。国民のお金を使い、使えない施設を造る。これは、政治・行政の大きな失敗と言える。

 

辺野古では、警察や警備会社の方々が大変な苦労をして、反対している人たちを排除している。そこまでしないといけないのは、日本政府が説明責任を果たしていないからだ。

 

一方の米国務省国防総省は、ある時期までは日本政府よりも沖縄を知っていた。しかし繰り返し日本と米軍再編に合意した事もあって、今は極めて無関心。「あくまで日本の問題」という立場になっている。

ただその再編協議自体は、強引なものだった。

例えば沖縄問題が靴ひもの結び目であるとする。日米政府の関係者が「基地問題」と書かれた靴ひもを無理やり引っ張って、結び目が固くなってしまったのが、今の状態だ。丁寧にやれば、きれいにほどけるはずだった。沖縄問題はお金では解決できない。哲学が必要だ。

 

県民投票が来年2月に予定されているが、県民投票は、民主主義を実践する最大の手法だ。私の知人に多い保守系の方々には、実施に反対したり、ボイコットしたりする動きがあるが、辺野古への移設に本当に賛成であれば、その立場から大いに参加すればいいと呼びかけている。

住民投票には法的拘束力は無いし、権力者は住民投票を軽んじたい。

ただ、日米同盟は結局のところ、権力者の意向ではなく、両国民の理解と支持に支えられている。

正しく実施されれば、住民投票ほど正確なものはない。県民が本当にどう考えているのかを知る、非常に良い機会だ。

民主主義を大切にする本来の米国なら、真剣に受け止めるだろう〉

 

注目は「国民のお金を使い、使えない施設を造る。これは、政治・行政の大きな失敗といえます」「正しく実施されれば、住民投票ほど正確なものはありません」ということ。

そして「日米同盟は結局のところ、権力者の意向ではなく、両国民の理解と支持に支えられているのです」という言葉をそのまま受け取れば、多くの国民が「辺野古の新基地建設に対してもっと意見をSNSや新聞への投書などで『意思表示する事』が、良い方向に向かうチカラになるのではないか」と思った。