「あいちトリエンナーレ」。たいてい1か月前には「あぁ、もう3年経ったか」と、テレビ等で「開催」を認識していた。今年は開催2日前に、NHKの午前11時半からの番組の「最後の最後」で「あぁ、今年か」と思った。

その日、正午のNHKニュースの前の「天気予報」を見ようと思いテレビをつけたら、前の番組の最後の方が映った。そこに、津田氏の姿が。

「え?トリエンナーレの芸術監督が津田大介?まさか、愛知で『物議を醸す』ような展示をするんじゃないだろうな?」と思った。

 

そうしたら、それが、本当になってしまった。

よりによって、なぜその展示をやるんだ?

芸術監督やキュレーターに任せている訳だから、「写真の展示に代えてほしい」と言っても拒否されれば「表現の自由」を盾にされ、大村知事もそのまま開催するしかなかったんだろう。

私も、「芸術監督やキュレーターが決めたものだし、嫌なら見なければいいだけだから、しかたがないな」とは思った。

 

しかし、今までの「あいちトリエンナーレ」は少なくとも「芸術」に関わった事がある人が「芸術監督」をやっていたと思う。

芸術と言っても、幅は広いと思うが。

ただ、今回、「なぜ、ジャーナリストが芸術監督なんだ?」という疑問は、当時も今もある。

国際芸術祭なんだから、より「世界の芸術に造詣が深い」とか「芸術祭の現在の状況に詳しい」とか、そういう人がやるのだと思っていた。

 

ネット上で、いろいろな「津田氏の発言や過去の動画など」を見ると、「なんとしても、これらの展示をしたかったから、とにかく直前まで隠していた」という印象が否めない。

つまり、「表現の不自由展を何としてもやりたかったから、事前の発表はいつもより遅くした」という事が、新聞やネットを通じてわかった。ウィキペディアでわかった事もある。津田氏は、キュレーターの存在を軽く見ているんじゃないか?

 

しかし、「表現の自由」がどうこう言うより、とにかく私は「いつものように1か月前には正々堂々発表する」という事をしてほしかった。

もちろん、そうすれば「物議を醸す恐れがあるから、中止になる恐れがあるのでやりたくなかった」のだろう。

 

しかし、「突然、明後日からトリエンナーレ開催を知った。あの有名な津田氏が愛知まで来て何をやるのか?まさか、物議を醸すようなことをするんじゃないだろうな」と思った私は、「やっぱり、物議を醸すことがわかっていることをやったな。責任を取れよ」としか思わなかった。

当然SNSで拡散され、事務局に苦情が来た。

しかも、後にNHKの番組では「協賛企業」にまでファクスや電話等で苦情が来たと知った。津田氏はきちんと謝罪したのか???

 

少女像はニュースでも話題になっている像だし、天皇陛下の写真をバーナーで燃やして最後に踏みつければ、それは天皇陛下だけでなく作者以外の人間が「同じことをされた」なら、「怒り心頭」で訴えるだろう。

つまり、「作者が、自分の兄弟や親の写真を燃やして踏まれた映像を、芸術展で大勢の人に見られたら、兄弟や親は『なぜあんなことをした』と怒る」と思う。

 

少女像も天皇陛下の写真を燃やした映像も、作者には、それぞれに思いはあるだろう。

しかし、その作品を突然テレビやSNSを見たら「どういう反応が返ってくるのか」は、わかるはずだ。こういう作品で「いろんな説明が必要」なら、もっと小さいところで本人がそばにいて説明するしかないのではないか。

 

天皇陛下にもお子さんやお孫さんがいる。そういう身内の人たちがこの映像を見たら悲しい気持ちになるだろうと思う。

しかし、それを作者に言う事はないだろう。宮内庁は、よほどのことがない限り、そういう事について言わないから。

しかし、芸術は、表現の自由は、「人を悲しませてまで」する必要があるのか?

 

もし、作者の知人の写真を使っても、これは大問題になると思う。

作者が自分の写真を燃やして踏んだら自分がどう思うか。

 

先生や親から「人の立場になって考えるように。自分がされて嫌な事は人にしてはいけないよ」と言われてきた。

自分の写真を燃やして踏んで、それは嫌な事ではないのか?大勢の人がそれを見るんだぞ!!!

もし私の写真が燃やされ踏まれた映像が展示されていたら「何をやっているんだ!!!」と怒鳴りこんで、すぐ中止しろ」と言うだろう!!!

表現の自由」と言ったって、常識の線というものはあると思う。その表現によって悲しむ人を作ってはいけないと思う。

 

それに、「不自由展のスタッフが裁判所に行った」ことも、「何やってるんだ?きちんとスタッフと話し合えば、解決できるはずだ。」と思い、唖然とした。問題を大きくする必要があるのか?

 

もう、ジャーナリストの「芸術監督」はこりごりだ!!!

3年後の「あいちトリエンナーレ」の芸術監督は、「美術・芸術関係」に長年関わっている人や、芸術祭に詳しい人にやっていただきたい。