それは、何気なく10月1日にBSプレミアムで見た、ドキュメンタリー番組だった。
その後、映画館で上映している事を知り、驚いて、観に行ってきた。
映画「人生フルーツ」
2016年 / 91分 / ドキュメンタリー / 東海テレビ放送制作
以下、チラシとパンフレットより
「人生は、だんだん美しくなる。人生フルーツ」
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
「むかし、ある建築家が言いました。
家は、暮しの宝石箱でなくてはいけない。」
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。
それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。
四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうにかわります。(電子レンジも湯沸かし器もありません)
刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。
二人は、互いの名を「さん付け」で呼び合います。
長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。
そう、「家は、暮しの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジェの言葉です。
かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地、青戸第一団地、原宿団地、高根台団地、赤羽台団地など多くの宅地造成に携わってきました。
1969年、高蔵寺ニュータウン計画で日本都市計画学会石川賞を受賞。
1960年代、風の通り道になる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。
修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました——。あれから50年、ふたりは、コツコツ、ていねいに、時をためてきました。
そして90歳になった修一さんに、新たな仕事の依頼がやってきます。
本作は、東海テレビドキュメンタリー劇場第10弾。
ナレーションをつとめるのは、女優の樹木希林さん。
ふたりの来し方と暮らしから、この国が、ある時代に諦めてしまった本当の豊かさへの深い思索の旅が、ゆっくりとはじまります。
一番驚いたのは、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」という言葉だ!
家は、「居心地よく、皆が暮らせる場所であればいい」と私は思っていた。
しかし、お二人のお宅はまさに「宝石箱という言葉がふさわしい家」で、お二人の行動は「毎日を丁寧に過ごす」というお手本だと思った。
(は~、断捨離しなくちゃね~、きれいにしなくちゃ!と思った。)
そして、お二人が私の両親と同世代だったので、「両親が生きていたら、こんな感じだったのかな」と思いながら見ていた。
とにかく、お二人とも毎日、頭も体も十分動かしておられて、動きがなめらか。「年を取る暇がない」という感じだ。
ご夫婦の間に感じられる、思いやりのある行動とねぎらいの言葉。
戦後の、そして伊勢湾台風後の住宅事情などの説明に「へぇぇ」と思ったことなど、書きたいことはいろいろあるが、それを書いても映像には及ばないので、是非映画館でご覧ください!
パンフレットも読みごたえがあるので、おすすめです!
「つばた家探訪」(写真とイラストで、詳しくわかるようになっています)とか、レビュー(スタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫氏、作家の重松清氏、建築家・建築史家の藤森照信氏、放送作家の石井彰氏)を読んで、老後の生活についていろいろ考えました。
あと、この番組は、初めてお電話をしたところ「テレビの取材はお断りです」という修一さんの第一声から始まり、その後のスタッフのみなさんのご苦労(しかしそれは、実に贅沢な時間だったのではないか、と思いました)が、パンフレットの最後の方の文章でわかりました。
最後はやはり、心のこもったお手紙なのですね!何度も!
最後に物を言うのは、丁寧な直筆の手紙だと、私も思います!
しかし「恋も仕事も〇〇〇〇〇〇が勝負!」とは知りませんでした。そうだったのかぁ、なるほど。
英子さんと樹木希林さんの「居酒屋ばぁば」という番組も見たかったです。