「PCR検査の不十分な体制は、日本の恥、途上国並み」そんな激しい主張を、医療従事者向けのサイトで展開している人物がいる。国立山梨大学の学長で医師の島田眞路氏だ。5月2日(土)TBS 報道特集。

質問「現在の状況に対する先生の苛立ちというか、そういうものを感じたんですが」

島田学長「日本の医療は、世界最高と言われている。

そういうふうに我々は宣伝してきた。私どもそういうふうに信じてきましたけれども、今のこの体制は何ですか?という事ですよ」

 

ナレーション「OECDが4月28日に発表した先進国の比較では、日本は人口1000人当たりの検査数は1、8人。36の加盟国のうち、メキシコに次ぐ少なさだった。

 

人口1000人当たりの検査数

イタリア  29、7

ドイツ   25、1

スペイン  22、3

アメリカ  16、4

韓国    11、7

イギリス   9、9

フランス   9、1

日本     1、8

メキシコ   0、4 

 

島田学長は検査数が増えない理由について

「『発熱4日以上で電話相談』など、政府の当初示した基準が影響している」と指摘する。

 

島田学長「ほとんどの患者さんをブロックして、4日以上37、5度以上の発熱とか、もう本当につらい方々や重症の方々だけを、ピックアップするようなシステムになっているんですよね。

で、これを、やはり解除して、もう誰でも、ある程度の症状がある人や心配な方々を、全部受けられるようにすれば良かったんですよ。

で、見逃された方が「核」になって、東京での爆発的な感染が起こっているのではないかな、と。

日本全国の大都市では、そういう事が起こっているのではないかと想像されます」

 

ナレーション「島田学長は、先進国の感染者死亡率は1%程度(感染爆発時を除く)と見ていて、そこから日本の陽性患者率を推定した」

 

質問「で、(見逃しは)どのくらいにのぼると?」

島田学長「数万例の可能性はあります。万の数ですね」

 

ナレーション「島田学長は2002年~2003年にかけて、SARS重症急性呼吸器症候群)が流行した際、山梨大学医学部付属病院で『感染対策委員長』を務めた。

その経験から、今年1月には対策に着手。コロナウイルス専用の病床を設け、院内でPCR検査ができる体制を構築した。

2月には『ダイヤモンド・プリンセス号』で感染した乗客を受け入れた。

3月、予想外の事態が。

島田学長「赤ちゃんが心肺停止でみつかった。心臓も呼吸も止まっている。

で、一生懸命蘇生したら生き返られたんだけれども、CTを撮ってみたら肺に影があったので、念のために呼吸器から痰を調べたら、陽性。

びっくりしましたよ、え?こんな赤ちゃんまで、なんで?

赤ちゃんというのは、その時は感染しない事になっていましたからね」

 

ナレーション「幸い、院内感染は起きなかった。陽性患者を見逃さず、医療現場で適切に対応するためにもPCR検査の体制強化が必要だと訴える」

 

続く