「あいちトリエンナーレ2019」の経緯。「骰子(さいころ)の眼」というネットの記事を読んだ。「あいちトリエンナーレ・津田大介芸術監督インタビュー」2019・8・24。文・浅井隆氏

このインタビューで、いろいろとわかった。

 

物議を醸すのが分かっていたんだから、いつものように、とにかく開催一か月前に発表して「堂々」とやればよかったのに。

(それで何か問題が出れば、「国際芸術祭の会場で『表現の自由』ができなくなってきているという事」が、世界中にわかる。)

結局、直前まで「いろんな事(苦情の電話・ネットでの炎上など)を考えすぎて、隠してしまったのか」という印象が否めない。つまり「危険を回避するために」動いた結果、直前の発表になり、出品者の一人からは「なぜいつまでもHPに自分の名前が出ないのか」と言われてしまうという問題も起きてしまった。

 

「国際芸術祭」なんだから、そういう芸術の関係について知っている人が芸術監督になるなら説得力もあるが、どうしてジャーナリストが芸術監督に?これは以前ここにも書いたことだが、今でも理由がわからない。

というのは、違う分野だから、孤立しないか?という事。一緒に行動してくれる「美術展のベテラン」がいれば、いろんな事が軽い気持ちで聞けるが、そういう人がいないと、意思の疎通もなかなか難しいのではないか。

 

最後の方の津田氏の「あいちトリエンナーレ2019 協賛企業・個人の皆さまへ」という文も必読。

苦情の電話に応対して疲弊しているトリエンナーレスタッフに対しての、不自由展委員会の言葉には唖然とした。津田氏が涙ながらに反論したのもわかる。そのあたりも含め、「もう今後、こういう『物議を醸すような展示はやめてくれ!』と思う。だけど、芸術監督やキュレーターが話し合って『単独で、どこかの建物でどうしても展示したい』と決めたなら、それはもう、今回のように、開催するしかないんじゃないか」とも思う。

 

この中で、抗議電話を受けた職員が「自分たちは、依頼に応じて会場を貸しているだけで、内容については知らない」と言ったら、相手が「わかった、それならここに組織的に抗議するのはやめてやるわ」と言われて電話を切られた、とある。

誰かが、組織的に「電凸」をやっているのか?電話回線を増やしても、焼け石に水だな。長時間抗議電話を受け続けた職員の人たちは、その後、体調は回復したのか?

 

しかし、「あいちトリエンナーレ」の助成金の不交付の問題。

期間中、「不自由展」以外はずっと開催していた訳だし、不自由展の費用420万円は「寄付で賄う」と津田氏が言っていたはず。

少し前の朝日新聞で前文化庁長官の記事を読んだが、この件「文化庁長官が黙って辞任する事」が、一番の方法なのかも。そうすれば閣僚も少しは「事の重大性」に、ピリッとするかもしれない。

 

とにかく、今年のように職員の仕事に支障が出たり、職員も電凸で体調不良になったりするのは困る。愛知芸術文化センターも県民にとって大事な建物だから、今年のようにガタガタするなら、もう、「あいちトリエンナーレ」は止めてほしい。