自衛官の暴言。防衛相統合幕僚監部指揮通信システム部に所属する30代の3等空佐(戦前の軍組織に当てはめると将校の少佐にあたる)が、路上で民進党の小西議員に「国民の敵」「(国会での)言動が気持ち悪い」などと執拗に罵った。

新聞やニュースなどによると

〈3佐は16日夜、東京・永田町の参院議員会館前をジョギングしていて小西氏と遭遇し、自衛隊員であることを告げたうえで、「お前は国民の敵だ」などと執拗に罵ったという。しかも、近くにいた複数の警察官が駆け付けた後も同様の発言を繰り返し、小西氏が「防衛省に連絡する」と告げても発言をやめなかったが、最終的には発言を撤回し、謝罪したという。〉

 

この件を知って、すぐに「5・15事件」を思い出した。

〈1932年、青年将校が「国民の敵」と書いた紙をまき、当時の犬養毅首相を暗殺した5・15事件〉

 

この3佐がこのまま自衛隊にいると不安だ。部下はこの3佐に従わざるを得ないからだ! きちんと処分していただきたい!

 

4月20日の朝日新聞より

自衛隊と政治の間には特別な関係がある。

戦前、軍部が政治に影響力を及ぼした反省から、戦後は政治が軍事に優越する「文民統制」を制度化。

首相や閣僚が文民でなければならないだけでなく、国会による統制も重視されてきた。自衛隊の人員や予算は国会の議決を経なければならず、防衛出動にも国会の承認が欠かせない。

さらに、自衛隊法は自衛隊員に対し、58条で「品位を保つ義務」を課し、61条で選挙権の行使を除く政治的行為を制限している。同法施行令は、特定の政党を支持・反対する目的で職権を使う事などを禁じる。

憲法15条が定める「全体の奉仕者」である公務員としての規定だが、これを厳格に適用する事で、文民統制を具現化してきた。

 

今回、暴言を発した3佐の階級は、戦前の軍組織に当てはめれば将校の少佐にあたる。その立場で国民の代表である国会議員に公然と敵意を示したとして、希望の党の玉木代表は「1938年に帝国議会で陸軍中佐が議員に『黙れ』と一喝した事件を思い出す」と話す。32年には青年将校が「国民の敵」と書いた紙をまいて当時の犬養毅首相を暗殺した5・15事件も起きた。「80年経って非常に嫌な雰囲気が漂ってきた。実力組織の統制に大変危機を感じる」と話す。

同志社大の武蔵教授(立法学)は「自分の意見と異なっても、実力組織の一員である自衛官は民主主義を尊重し、政治的決定に従うのが文民統制の要だ」と指摘。「今回は野党の政治家に対する威嚇だったが、そうした憤りが転じ、首相に向かうことがないとも限らない」と懸念する。

ジャーナリストの布施氏は「自分の立場を自衛官と明かして国会議員に『敵』というのは、統制なんか受けないと宣言しているに等しい」と指摘。陸上自衛隊イラク派遣に反対する市民の個人情報を集めて裁判になった例や、自衛隊の最高指揮官でもある安倍首相がヤジを飛ばした人に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言した問題にも言及し、「簡単に敵味方を分断する姿勢が浸透しているのでは」とみる。

災害派遣で国民に信頼されてきたのに、不安を抱かれるのは自衛隊にとってもプラスにならない。しっかり原因究明すべきだ」  〉

 

とにかく、自衛隊員が、なぜ面識もない国会議員に向かって「お前は国民の敵だ」などと言ったのか、防衛省はきちんと調査して、内容と処分内容を国民にきちんと発表していただきたい!!!

 

こういう発言を「警察官が駆けつけても平気で言い続けた」自衛官の態度が、非常に気になる!

自衛隊の中で、こういう「政治についての議論」が起こっているのか?

 

去年、河野統合幕僚長は安倍首相が「憲法改正自衛隊の存在を明記する考えを持っていること」について「非常にありがたい」と発言し「政治的行為にあたる」と批判が出たが、不問にされた。

 

何かあっても、ほとんど誰も責任を取らない「安倍政権」。

今後、今までの「政権の姿勢が問われる」案件が出てくるのではないか。

 

とにかく、国民が不安な気持ちにならないようにしていただきたい!!!