国連人権理事会が任命した特別報告者のジョセフ・ケナタチ氏が、安倍総理に宛てた書簡を公表した。
共謀罪法案について、次のように指摘している。
「法律の適用範囲が広範で、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度な制限につながる可能性がある」
また、法案の条文を詳しく上げて「法が恣意的に適用される危険がある」と懸念を示した。
さらに、日本政府が「国際組織犯罪防止条約」に参加するためには「共謀罪」の創設が必要であるとしていることについても、次のように指摘した。
「新法案は、テロとの戦いに取り組む国際社会を支援することを目的として提出されたという。しかし、この法律を制定することの適切性と必要性には、疑問がある」
ケナタチ氏の危惧する点
「一番懸念していることは、プライバシー保護の欠如です。監視なしに取り締まりはできないので、監視強化が必要になるだろう。今こそ、日本が民主主義をけん引する立ち位置にあることを示す時だ。
おそらく日本は、G7のメンバーの中で、プライバシー保護で最も後れを取っている。菅官房長官には非常に残念に思う。意図的かどうかは分からないが、ひどい勘違いをされている。」
今後、どのような行動をとるのか?
「10月に日本に行こうと思っている。日本がプライバシー保護に厚い国になるように。我々と協力して、法律やルールを再構築できれば良いと思う。」